不適切な授業が発覚したウィッツ青山学園高校(三重県伊賀市)が、単位不足の生徒を含めた約400人に卒業証書を送っていたことが分かった。西尾隆一校長は取材に「認識が甘かった」と話している。
400人が月内卒業できず ずさん授業のウィッツ青山高
三重の高校、通信制50人受講実態なし 不正受給目的か
伊賀市教育委員会などによると、卒業証書は2~3月、3月末で卒業見込みとなっていた生徒全員に、本校や各サポート校から渡したという。多くは今も再履修を終えておらず、卒業認定できない生徒だった。
市教委は3月上旬にこの事実を把握していたが、文部科学省に報告していなかった。文科省は21日に岡本栄伊賀市長を呼んで事情を聴き、指導の徹底を改めて求める。報告漏れについて市教委の担当者は「再履修の実施などの事務に忙殺されていた」と話した。
ウィッツでは、テーマパークで釣り銭を勘定すれば数学とするなど不適切な授業があり、文科省は単位として認定しない見解を示している。市教委などは、卒業生らを対象とした再履修の授業を順次実施し、履修が確認できるまでは卒業を認定しない方針。