入港する海上自衛隊の護衛艦「いせ」=26日午前、フィリピン北部スービック港、佐々木学撮影
海上自衛隊の大型護衛艦「いせ」が26日朝、フィリピン北部スービック港に初めて寄港した。この港は冷戦期に米海軍基地があり、現在は対中国を念頭に、比軍が南シナ海の防衛拠点として再整備を進めている。海自は今月3日に潜水艦を同港に寄港させたばかり。一層の連携強化を印象づけた。
護衛艦いせは、大型ヘリコプターを搭載でき、高い海上監視能力を持つ。12~16日にインドネシアであった多国間訓練「コモド」に参加後、ベトナムなど友好国の軍幹部らを乗せ、南シナ海を航行、親善目的でスービックに寄港した。29日まで滞在し、比海軍幹部を艦上に招くなど、交流を深める。
軍事力で圧倒的に中国に劣るフィリピンは、友好国日本の自衛隊の艦船を頻繁に寄港させることで、南シナ海での存在感を高め、中国を牽制(けんせい)する。また比海軍は装備の近代化を進めており、マリネス・ドミンゴ広報官は「日本の先進装備に触れるよい機会」とも話した。(スービック=佐々木学)