三菱自動車の燃費試験データ不正操作問題について会見する相川哲郎社長(左)=26日午後4時34分、東京・霞が関の国土交通省、外山俊樹撮影
三菱自動車の燃費偽装問題で、同社は26日、法定の方法と異なるデータ測定を1991年から続けていたと明らかにした。競合他社を意識した燃費目標を達成するため、一部の車種で実測したデータを使って、架空のデータを机上計算していたことも判明。相川哲郎社長は「会社の存続に関わる事案」と謝罪した。
燃費目標から逆算し走行抵抗値 三菱自、偽装問題で報告
三菱自の燃費偽装問題
三菱自は同日、国土交通省にこれらの事実を報告したが、同省は不正の全容が明らかになっていないとして、5月11日までの追加報告を求めた。記者会見した相川社長は、外部調査委員会の結果を聞くまで「社長の責任を果たす」と述べ、当面の辞任を否定した。
燃費性能の基となるタイヤの摩擦や空気抵抗などの「走行抵抗値」のデータは、道路運送車両法に基づき「惰行法」で測定するよう91年に定められた。だが三菱自によると、この時から「高速惰行法」と呼ばれる米国車向けの試験方法で実施していた。高速惰行法は試験時間が短く済むというが、法律に反してまで使った理由は「調べて回答したい」という。この方法が関係した車種や台数について、中尾龍吾副社長は「調査中で現時点では公表できない」とした。