4州の予備選で勝利し、支持者の前で演説するヒラリー・クリントン氏=米ペンシルベニア州フィラデルフィア、中井大助撮影
米大統領選の候補者指名争いで、26日に東部5州で行われた予備選の結果、民主党はクリントン前国務長官(68)の指名獲得が濃厚となった。共和党では、実業家のトランプ氏(69)が圧勝し、獲得代議員数を大幅に伸ばした。ともに他候補を引き離してトップを走るが、ライバルが撤退する気配はない。両党がそれぞれ抱える深刻な分断と対立の構図が、最終決着の先延ばしにつながっている。
特集:米大統領選2016
【タイムライン】米大統領選
■逆転困難のサンダース氏「選挙戦続ける」
26日夜、満面の笑みを浮かべ、支持者の前に登場したクリントン氏は、7月に同じフィラデルフィアで開かれる民主党全国大会を見据えていた。「あなたたちの力で最も多くの票と代議員を連れ、党大会のため再びここに来る。そして選挙に勝ち、党を結束させる」と指名獲得に自信を見せた。
ライバルのサンダース氏について「不可解なお金を政治からなくすことや、格差是正により力を入れることを要求してくれたことに拍手を送る」。批判は控え、「勝負はついた」と言わんばかりの演説だった。
クリントン氏は5州のうち4州で勝利。予備選・党員集会の結果で選ばれる一般代議員の獲得数を1600超まで増やし、一般代議員とは別に、党全国大会で投票権が与えられる民主党連邦議会議員ら特別代議員の推計獲得数を加えれば、既に2千人超の代議員を確保。残り14州への割り当て代議員数約1200人のうち2割を獲得すれば、指名を確実にする計算だ。
陣営の視線は、早くも秋の本選に移りつつあり、米紙ニューヨーク・タイムズによれば、支援する政治団体が7月の党大会前から、共和党候補を攻撃するテレビCMの上映も検討。一方で、陣営はサンダース氏に早期撤退を暗に促している。