米イリノイ州の連邦地裁は27日、数十年前に起こした性虐待事件をめぐって不法行為を問われた元下院議長のデニス・ハスタート被告(74)に禁錮15カ月の実刑判決を言い渡した。ロイター通信によると、法廷で裁判官は被告を「連続児童虐待者」と表現し、「どれだけ古くても許されない行動がある」などと述べた。
1986年に連邦議会議員に初当選し、99年から2007年まで議長を務めたハスタート被告はほかにも、保護観察2年と罰金25万ドルの支払いを命じられた。法廷では自らの行為について「深く恥じている」と述べたという。被告は知日派とされ、日本政府は10年に旭日大綬章を贈っている。
ハスタート被告は高校教師でレスリングコーチだった60年代から80年代に、少なくとも4人の男子生徒を虐待したとされる。この事実を隠そうと被害者の1人に350万ドル(約3億8500万円)を支払う約束をし、発覚を免れるため少額に分けて銀行から下ろした行為や、理由を聞かれて捜査当局に虚偽の供述をした行為で起訴された。性虐待事件そのものは、時効が成立しているという。(ニューヨーク=中井大助)