ブルワーズ戦でメジャー通算500盗塁に成功した、マーリンズのイチロー=AFP時事
大リーグ、マーリンズの42歳のイチロー外野手が29日、ミルウォーキーで行われたブルワーズ戦で大リーグ通算500盗塁を達成した。「随分時間がかかったなという印象。レギュラーで出ていないと、(記録を一つ伸ばす)プラス1の距離感が全然違う」。最近は先発出場も少ないため、今季2個目の盗塁を決めるまで16試合を要した。
それでも、記録のためにやみくもに走る考えはない。「今もしアウトになると、『昔ならセーフになったのに』とか言われがち。僕はばかな盗塁は基本的にしない。成功率半分とかいう感覚ではいかない」。年齢と結果を結び付けがちなムードにあらがうように、高い成功率を自らに求める。
この日は、禁止薬物使用で80試合の出場停止処分を科されたゴードンの代役として1番を務めた。先制点につながる安打と盗塁、九回には駄目押しの適時打も。最善の準備をしてゲームに臨み、チームが求める結果をきっちりと残した。
そんなベテランにチームメートは尊敬のまなざしを向ける。500盗塁を達成した瞬間、ベンチでは選手らが拍手を送った。試合後は球団社長から二塁ベースが記念品としてプレゼントされた。「あの(祝福の)瞬間が一番うれしい。仲間がああしてくれるのが一番うれしい」。そう振り返ったイチローの目が赤かった。(時事)