大阪・ミナミの御堂筋で2014年6月、車が暴走して通行人ら3人が重軽傷を負った事故で、危険運転致傷罪に問われた会社員宮谷則幸被告(67)=大阪市福島区=の初公判が2日、大阪地裁(村越一浩裁判長)であった。意識障害を伴う低血糖症のため正常な運転ができない状態だったという起訴内容について、宮谷被告は無罪を主張した。
起訴内容によると、宮谷被告は同年6月30日午後4時ごろ、大阪市中央区心斎橋筋2丁目でワゴン車を運転中、交差点で信号待ちの乗用車に衝突。後進後、方向を変えて加速し、女性をはねたほか、駐車中のトラックを押し出して通行人の男性にぶつけるなどして計3人に骨折や捻挫などのけがを負わせたとされる。
検察側は冒頭陳述で、糖尿病の持病があるにもかかわらず、この日は昼食をどら焼きですませており、低血糖症で正常な運転ができない恐れがあったのに運転し、事故につながったと主張した。
これに対し、弁護側は低血糖の兆候を感じた時には必ず軽食や補給食を口にしていたと強調。事故の2時間半前に測定した際には血糖値が非常に高かったため、低血糖状態で意識障害に陥ることは予見できなかったと訴えた。