自動車部品大手タカタ製エアバッグの不具合をめぐり、ロイター通信は3日、タカタが米国で3500万~4千万個のエアバッグ部品の追加リコール(回収・無償修理)を発表する見通しになったと報じた。世界全体ですでに約6千万個のリコールが公表されており、対象は1億個前後に増える見通しだ。早ければ4日にも発表されるという。
米国ではこれまで、約2800万個のエアバッグ部品がリコール対象となっており、当局が数千万個規模の追加リコールを検討してきた。これまでの調査で、エアバッグを膨らませる薬品「硝酸アンモニウム」に乾燥剤が使われていなかったことが破裂の要因の一つとされており、今回の追加リコールでは「乾燥剤なし」の部品がすべてリコール対象になるという。
タカタのエアバッグの問題をめぐっては、今年3月に南部テキサス州で17歳の女性が死亡した事故を含め、関連する死亡事故が米国で10件、マレーシアの1件をあわせて世界で11件報告されている。(ワシントン=五十嵐大介)