調教用のゼッケン。緑は2歳馬、黒は3歳馬、白地に黒が4歳馬を示す
滋賀県栗東市のJRA(日本中央競馬会)の栗東トレーニングセンターでの調教で使い終わったゼッケンが、おしゃれなカバンやリュックに生まれ変わっている。JRAから提供を受け、県内の福祉通所施設が縫製している。ふるさと納税の返礼品でも好評だ。
商品のブランド名は「steed(スティード)」。優秀な競走馬「優駿」を意味する。栗東トレセンの所属を示す緑か黒、白の生地に、三つか四つの数字が書かれている。同トレセンでは約2千頭が日々調教され、数字は1頭ごとに毎年付けられる個体番号だ。
使い終わったゼッケンは、県内の福祉施設で洗濯。同県聴覚障害者福祉協会の通所施設「びわこみみの里」(守山市)の3人がミシンなどで加工する。縫製を指導する西城明美さん(66)は「生地と革を重ねるとミシン針が折れそうなほど硬いが、丁寧に縫っています」と話す。
施設のパート職員松岡幸子さん(61)は「ゼッケンは1頭の競走馬が1年間頑張った証明。数字が映えるように、加工する際も気を配ります」と話す。商品に書かれた数字の「指名買い」を望む購入者もいるが、「数字は選べない」と断っているという。
県社会就労事業振興センターが…