ビッグエア男子決勝でエアを決めるマーク・マクモリス=林敏行撮影
(24日、平昌五輪スノーボード男子ビッグエア決勝)
【競技結果】平昌五輪スノーボード男子ビックエア
特集:平昌オリンピック
言葉を動きに、動きを言葉に。「孤高の星 羽生結弦」
死の瀬戸際から、マーク・マクモリス(カナダ)が再び五輪の舞台にはい上がってきた。
2014年ソチ五輪のスロープスタイル銅メダリスト。だが、昨年3月、未整備の雪山を滑るバックカントリースキーの最中に木に激突し、重傷を負った。あごや左腕、骨盤、肋骨(ろっこつ)が折れ、脾臓(ひぞう)と左肺の破裂も重なり、選手生命どころか、命の危機にまでさらされた。
ただ、全治が判然としないほどの大けがでも、あきらめない。理由は明快だ。「このスポーツを何よりも愛している」。懸命のリハビリで8月に競技に復帰し、大舞台に返り咲いた。
「この場でもう一度やれていることは奇跡だ」。五輪で戦える喜びをかみしめながら、11日のスロープスタイルでは3位。マクモリスの復活に、カナダのジャスティン・トルドー首相はツイッターで「表彰台に戻るまで、どんなに長い道のりだったことだろう。あなたの強さと勇気は、私たちを元気にする」とたたえた。
24日の新種目ビッグエア決勝は10位。1、2回目で着地に失敗した。最後の3回目。回転技はいれず、滞空時間の長いエアを飛んだ。観客にアピールするように、右腕を高く掲げながら。