汚職疑惑の渦中にあるブラジルのルラ前大統領が現政権の官房長官に起用された人事を巡り、同国検察は汚職事件の捜査を妨害した疑いがあるとして、ルセフ大統領とルラ氏に対する捜査開始の許可を連邦最高裁に求めた。3日、複数の地元有力紙が一斉に報じた。
政治の混乱が続くなか、ルセフ氏が刑事事件の捜査対象に浮上したのは初めて。今後、最高裁判事が許可を出せば、正式に捜査が始まる。議会の弾劾(だんがい)手続きが山場を迎えるなか、ルセフ氏はまた一つ新たな火種を抱えることになった。
ブラジルでは、大統領や閣僚の捜査には事前に最高裁の許可が必要。報道によると、検察は、ルラ氏が3月に入閣した背景にはルラ氏への捜査をかわす狙いがあったと判断。ジャノ検事総長が「ルラ氏の起用は目的を偽っている」として捜査開始の許可を求めた。