トルコの首都アンカラで2015年10月29日、共和国記念日の式典中に話をする同国のエルドアン大統領(左)とダウトオール首相=ロイター
トルコのダウトオール首相は5日、首相の職と与党・公正発展党(AKP)の党首を22日に辞任する意向を表明した。AKPは同日、臨時党大会を開き、次期首相となる後任党首を選出する。ダウトオール氏は党運営や、議院内閣制から大統領制への移行実現をめぐり、事実上の同党指導者であるエルドアン大統領と対立していた。
ダウトオール氏は5日午後、首都アンカラの党本部で会見し、「AKPの連帯のため、党首が代わることが正しいと考えている」と説明。次期党首選には立候補しないと明言した。
現行のトルコ憲法では、大統領は国家元首として政治的に中立と定められている。だが、エルドアン氏は2014年8月に大統領に当選し、AKPを離党した後も、同党の圧倒的多数派を占める「エルドアン派」の国会議員を通じて実権を掌握。定期的に閣議を開くなど、事実上の最高権力者として振る舞っていた。