震災ゴミ置き場で土木業者に作業を説明する宮城県気仙沼市職員の佐藤克美さん(左から2人目)=5日午後、熊本県南阿蘇村、高橋雄大撮影
熊本地震で被災した熊本県や県内市町村の行政を、県外の自治体から駆けつけた応援職員が支えている。特に、東日本大震災や阪神大震災を経験した職員が伝える貴重な助言が、復旧・復興を後押ししている。全国から職員を送り込む広域応援の仕組みが確立されてきた成果だが、受け入れの計画を整備しておく必要性も教訓として見えてきた。
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熊本地震 災害時の生活情報
人口1万1千人の熊本県南阿蘇村。4月16日未明の「本震」以来、約160人の職員は被害把握や避難所運営など慣れない仕事に追われている。村が同21日に総務省に人手不足を訴えると、東京都が職員30人の投入を決め、翌日に先遣隊4人がヘリで村に入ったこともあった。6日現在、計127人の応援職員がいる。
激増した被災自治体の業務を支える広域応援。なかでも、過去に震災を経験した応援職員が次の事態を想定して伝えるノウハウが貴重な指針となっている。
「火事にならないように細かく分別しないと」。東日本大震災で災害廃棄物の処理に携わった宮城県気仙沼市職員の佐藤克美さん(48)は気仙沼市が使った分別表を見せ、南阿蘇村の職員と現場を回った。
震災で倒壊建物の廃材処理は大きな課題となる。解体作業の発注時に建設部局が関わることも重要だという。「私たちが離れても、村職員だけで仕事が進められるように相談相手として寄り添いたい」と話した。