国民に支持を訴える上院議員候補のパッキャオ氏=7日、マニラ、佐々木学撮影
プロボクシングで世界6階級を制覇したフィリピンの英雄マニー・パッキャオ下院議員(37)が、9日の大統領選挙と同時に行われる上院議員選挙(改選数12)に挑んでいる。4月にプロボクシング界からの引退を表明。「未来の大統領」との期待を背に、リングから政界へ、完全に軸足を移す。
「子どものころは路上で寝た。泥水で空腹を満たした。貧困からはい上がった私は、この国のために働く道を選んだ」。選挙戦最終日の7日、マニラで遊説したパッキャオ氏は、ライバルたちをリングに沈めてきた左腕ではなく、右手を突き上げ、力強く支持を訴えた。
南部ミンダナオ島出身。貧しい家庭に生まれ、16歳でプロデビュー。最初のファイトマネーは100ペソ(約230円)だった。それが、昨年5月のメイウェザー氏(米)との「世紀の一戦」で120億円を稼ぐまでになった。賞金で貧しい家庭に米や菓子を配り、学校や体育館を建ててきた。