待ち合わせなどでにぎわう「パイ山」=8日午後、神戸市中央区
おわん形の小山が並ぶその形状から、「パイ山公園」や「でこぼこ公園」の通称で知られる阪急神戸三宮駅北側の「さんきたアモーレ広場」(神戸市中央区)が、9日から始まった近くのビル建て替え工事に伴い、5年ほど閉鎖されることになった。神戸中心部の有名な待ち合わせ場所がしばらく使えなくなる。
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工事を計画した阪急電鉄や広場を管理する神戸市によると、神戸阪急ビル東館の建て替え工事の間、資材置き場などとして利用するために広場を含めた周辺一帯を順次閉鎖していくという。工事は2021年までの見通しで、その後について市の担当者は「原形復旧が基本となるが、三宮の再整備に伴ってアレンジが加わる可能性がある」と話す。
広場は外周100メートルほど。10センチ角程度の石が敷き詰められた大中小三つの小山が特徴的で、待ち合わせや路上ミュージシャンの活動の場として愛用されてきた。07年には一般公募で「さんきたアモーレ広場」の愛称が決まった。
8日は閉鎖前の路上ライブも開かれ、ネットでは「寂しい」などの声が相次いだ。待ち合わせていた神戸市の大学生竹内みゆさん(19)は「三宮での待ち合わせはいつもパイ山だったので、これからどこにしようか悩みます」と話していた。(向井大輔)