24日に東京都内であったJ1神戸への加入記者会見で、ユニホームを掲げるイニエスタ
サッカーの強豪バルセロナから、J1ヴィッセル神戸に移籍するスペイン代表MFイニエスタが入団記者会見を開いた24日は、1日だけで全世界で約6千本の関連記事がインターネットで配信されていた。Jリーグが分析ソフトウェアを使って調べたところ、そんな調査結果が出た。Jリーグ関係者は早くも「イニエスタ効果」を実感している。 Jリーグの調査によれば、東京都内で入団会見があった24日前後の21~25日に、世界中でイニエスタと神戸に関連したネット記事が9393本配信されたという。24日だけで、5977本に上った。神戸が昨夏に元ドイツ代表のFWポドルスキを獲得したときは、来日会見前後の5日間で3742本。イニエスタは、その約2・5倍だった。
世界への広がり方も違った。イニエスタの記事は日本が50%弱を占めたが、その他は英国が約12%、米国、ドイツ、スペインが7%超と分散。一方、ポドルスキの場合は、日本とドイツがそれぞれ約40%と2カ国に集中していた。
34歳のイニエスタは、6月に開幕するワールドカップロシア大会でもスペイン代表の主力を担う。Jリーグ関係者によると、今回の移籍で、スペインのテレビ局から放映権に関する問い合わせがすでに届いているという。
Jリーグも、「イニエスタ効果」を海外での露出度を増やす好機と捉える。世界中のサッカーファンのJリーグへの関心度が上がることを想定し、公式ホームページやフェイスブックの英語版の情報を充実させたり、インターネット配信用に神戸の試合のダイジェスト映像を作ったりすることを検討中だ。
担当者は「一度来日しただけで、これだけの注目を集めた。世界にJリーグを発信する大きなチャンスになる」と意気込む。(勝見壮史)