稀勢の里(右)は押し出しで琴勇輝を破る=北村玲奈撮影
(9日、大相撲夏場所2日目)
どすこいタイムズ
初優勝なら横綱昇進の可能性がある稀勢の里に、変化が見えた。
細長い支度部屋の一番奥に陣取る白鵬の手前、すぐ隣に座った大関は、狭い通路に足を下ろす形で座敷に腰掛けていた。
横綱が取組前のウォーミングアップを始めたら、大関以下は場所を空けるのが普通だが、この日の大関は柔らかい表情のまま動かなかった。対抗心ではない。それを感じて、白鵬の方も穏やかに譲った。
横綱に対しても、気持ちで臆するところがなくなったのだろう。笑顔も浮かべ、たたずまいから力みが消えていた。