2年連続の開幕投手を務めたヤンキースの田中。打線の援護に恵まれず、まだ1勝どまり=AFP時事
ワールドシリーズ制覇27度。大リーグで圧倒的な強さを誇るヤンキースが、もがき苦しんでいる。9日現在、12勝18敗の5位。ア・リーグ東地区で最下位だ。5月初旬にこの位置にいるのは1991年以来。かつての「暗黒時代」を思わせる今の状況に、地元メディアは「最低のところにいるから、これ以上悪くはならない」と皮肉を込めて批判する。
3安打。8日の本拠ヤンキースタジアムでの宿敵レッドソックス戦は、今季を象徴するような貧打で負けた。ナックルボールを多投する相手先発ライトを打ちあぐね、九回に1番ガードナーのソロ本塁打で、1点をかえすのがやっと。ジラルディ監督も「スイングをさせてもらえなかった」と言うほかなかった。
右翼約96メートル。右中間の膨らみもなく、打者有利とされる本拠で、圧倒的な打力を見せつけるのが、ヤンキースの伝統的な戦い方だ。それが今季、ここまでのチームの本塁打数は30本。単純計算すると1試合に1本で、主力で打率3割台の選手は1人もいない。