大阪市は11日、市営地下鉄の2015年度収支見込み(速報値)を発表した。それによると、経常利益は前年度比25億円増え、373億円にのぼり、3年連続で過去最高を更新した。コスト削減のほか、外国人観光客らのインバウンド(訪日外国人)を含めた乗客増が収益を押し上げたとみられる。
市交通局によると、15年度の1日平均の乗客数は242万9千人と前年度比5万2千人増えた。乗車賃による収入は18億円増加し、1473億円になった。乗客の数%を外国人観光客が占めているといい、担当者は「インバウンド効果もあったとみられる」と説明する。コスト削減も継続し、人件費は前年度比約10億円減った。
一方、70歳以上を対象にした敬老パスの利用者数は、地下鉄とバスで計9万3556人となり、14年度から1万2053人減った。14年8月から1回あたり乗車賃50円の負担が生じたことが影響したとみられるという。
バス事業も12億円の黒字が出たが、複合ビル「オスカードリーム」(大阪市住之江区)の事業失敗で資金不足が続いており、経営健全化を進めている。