中南米で流行するジカウイルス感染症(ジカ熱)について、妊婦から生まれた赤ちゃんで小頭症などの異常が起きることを、ブラジルと米国の研究チームがマウスへの感染実験で確かめた。11日付の英科学誌ネイチャー(電子版)に速報する。ジカ熱と脳障害との関連を直接的に示した初めての動物実験結果だという。
特集:ジカ熱
ブラジルではジカ熱に感染した妊婦から極端に頭の小さい小頭症の子が生まれるケースが相次いでいる。米疾病対策センター(CDC)はウイルス感染が小頭症の原因とする見解を発表したが、直接的な証拠ははっきりしていなかった。
研究チームは、妊娠した二つの系統のマウスにジカウイルスを注射で感染させ、生まれた子を調べた。一つの系統のマウスの赤ちゃんは胎盤を通じてウイルスに感染。体重や大脳皮質の厚さが通常の半分になるなど、様々な発育不全を示した。脳内でウイルスが集中して確認された。