シェアハウス投資を行った多くのオーナーに多額の融資をしたスルガ銀行本店=静岡県沼津市
シェアハウス投資で賃料不払いが相次ぐ問題で、オーナー13人が不動産業者スマートデイズ(東京)や建築業者など十数社を相手取り、計約2億円の損害賠償を求めて近く東京地裁に提訴することがわかった。実現できない高利回りの賃料を保証し、割高なシェアハウスを買わせて損害を与えたとしている。原告代理人の加藤博太郎弁護士によると、問題発覚後の損害賠償訴訟の提起は初とみられる。
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原告のオーナーは30~50代の会社員らで、1億円前後の物件をそれぞれ1~2棟買った。スマートデイズは保証した賃料支払いを1月に打ち切り、一度も賃料を受け取れなかった原告もいるという。被告となるのは、スマートデイズと新旧経営陣のほか、投資を勧誘した不動産業者、建築を請け負った建設会社など十数社。
原告側は、保証賃料が実際の家賃とかけ離れ、「30年も保証できず破綻(はたん)するのが明らか」「割高な不動産を購入させるための方便だった」などと訴え、本来の物件価値と購入代金との差額の一部を損害として請求する。融資時に年収や預貯金の資料が改ざんされ、資金力を超える借金を背負った原告もいるという。訴訟提起についてスマートデイズは「現段階での回答は差し控える」とコメントした。(藤田知也)