■有田芳生・民進党参院議員
(ヘイトスピーチ対策法案が参院法務委で可決されたことを受けて)専門家は「奇跡的だ」と表現するが、それが実感だと思う。この3年間、ヘイトスピーチの現場で体を張って差別反対をしている人たちの運動があり、被害当事者の人たちの現場で声をあげる努力があった。だけど、しみじみ思うのは、人種差別撤廃条約に日本が加入した当時から、人権問題を扱ってきた研究者や弁護士の努力がなければここまできていなかった。
ただ、これは問題のない法案ではない。研究者たちはこの法案をきっかけに、どういう使い方ができるかという指針を近々作っていく。それに基づいて全国でさらに(反差別の)運動が高まっていくし、その人たちを支え励ますものになるだろうと思う。人権問題に終着点はない。これで終わりではなく、ここから次の地点に進んでいかなければならない。人種差別撤廃条約に加入して21年。ようやく、出発点にきたということではないでしょうか。(国会内で記者団に)