次世代社会のあり方を検討する自民党の「2020年以降の経済財政構想小委員会」は厚生労働省の組織見直しに関する提言をまとめ、橘慶一郎委員長と小泉進次郎事務局長が12日、稲田朋美政調会長に提出した。少子高齢化などによる業務の肥大化に対応するため、分割案を盛り込んでおり、参院選の公約に反映するよう求めた。
厚労省の業務は医療や介護、子育て、雇用対策など多い。昨年の通常国会での厚労相答弁は2934回で、外相の1749回、文部科学相の1397回を上回った。提言では「1人の大臣、一つの役所だけで担当することは困難になりつつある」と指摘。厚労省を①年金、医療、介護の「社会保障」②少子化対策、子育て支援の「子ども子育て」③雇用、再チャレンジ、女性支援の「国民生活」の3省に分割するか、「子ども子育て」と「国民生活」をまとめて2省に分ける案などを示した。分割せずに大臣を2人置く案も併記した。
小泉氏は稲田政調会長との会談後、記者団に「政調会長からは前向きな発想があった。今後、党内での議論につなげていただけると期待している」と語った。
一方、厚労省内には再編に慎重な意見が多く、幹部は「厚生と労働で一緒にならないとできないことはたくさんある」と指摘する。塩崎恭久厚労相も「厚労省だけ見ても日本全体の問題解決にはならない」との考えを示している。