広島市の松井一実(かずみ)市長は13日の定例会見で、米国の現職大統領として初めて被爆地を訪問するオバマ大統領に言及し、「被爆者と対面する場を設定できないかと考えている」と述べた。そのうえで「被爆者の思いを受け止め、その思いを伝えてほしい」と語った。
オバマ氏、27日に広島訪問 現職の米大統領で初
松井市長は、オバマ大統領が就任直後の2009年4月にチェコの首都プラハで「核兵器なき世界をめざす」と述べた演説以降、核兵器廃絶の動きが前進していないとも指摘。主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)のあとの27日に大統領が広島に訪れた際、「廃絶への動きを進めるようなメッセージを打ち出してほしい」と求めた。
松井市長は2日にスイス・ジュネーブで再開した国連核軍縮作業部会への出席についても報告。核超大国の米国が部会に参加しなかったことについて、「理想と現実のギャップがあるのだろう。広島を訪問した後は米国の多くの国民をとり込み、核廃絶に向けて世界を動かしてほしい」と期待を込めた。(高島曜介)