突然、扉が開き、天狗が現れた
妖怪による町おこしに取り組む福崎町は、町出身の民俗学者、柳田国男(1875~1962)の生家近くの辻川山公園(同町西田原)に、小屋から妖怪が飛び出す仕掛けを新たにつくった。すでに公園には天狗(てんぐ)の像や水中から顔を出すカッパの像などがあり、新たな仕掛けで妖怪人気がさらに高まりそうだ。飛び出す妖怪は今年度は「天狗」だが、今後は毎年変えていく予定という。
辻川山公園では、カッパの像2体と天狗の像が2014年から次々とつくられている。今回の動く天狗の像は4体目で、昨年10月から工事を進め、今年4月7日にお目見えした。天狗(全長約1・6メートル)はFRP(繊維強化プラスチック)製。地上からの高さが約3メートルの所に設けた木の小屋の扉が開くと、ワイヤで逆さにつり下げられた天狗が飛び出し、再び小屋に戻ってくる仕掛けだ。町が事業費約1500万円かけて整備した。
今回の天狗は飛び出した後に関西弁でしゃべるのが特徴で、「もちむぎ麺、こうてくれよ」「今日は暑いわ。頭に血のぼってった」など8パターンあるという。天狗をデザインした同町地域振興課の小川知男さん(42)は「怖い妖怪をつくるというコンセプトを大切にした」と話す。
公園を訪れた近くの主婦井上麻記さん(35)は「いきなり天狗が飛び出し驚いた。妖怪の像がどんどん増えるので楽しいです」と話した。
動く天狗の像は午前9時5分から午後6時5分まで、15分ごとに小屋から姿を現す。カッパは午前9時から午後6時まで15分ごとに公園の池から顔を出す。問い合わせは町地域振興課(0790・22・0560)へ。(遠藤和希)