蜷川幸雄さんの葬儀を訪れた大竹しのぶさん(中央)=16日午前11時42分、東京都港区、鬼室黎撮影
12日に80歳で亡くなった演出家の蜷川幸雄さんの葬儀が16日、東京都港区の青山葬儀所で営まれた。「世界のニナガワ」の薫陶を受けた俳優や演出家ら多数が訪れ、演劇界を牽引(けんいん)した故人との別れを惜しんだ。
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午前10時半から次々に会葬者が来場、劇作家の野田秀樹さん、俳優の渡辺謙さんらも姿を見せた。
弔辞は、蜷川さんの舞台で活躍した平幹二朗さん、大竹しのぶさん、吉田鋼太郎さん、小栗旬さん、藤原竜也さんの俳優5人が述べた。平さんは「あなたの中の怒りと熱情に突き動かされ、僕の中のマグマが燃え上がってしまった。その火はまだ消えてはいません」。大竹さんは「稽古場で待っています。いつもいつの日も」。小栗さんは「夢にでも叱りに来てください。とことん踊らせてくれて、道を照らし続けてくれてありがとうございました」と話した。
蜷川さんに見いだされ、育てられた藤原さんは「1997年、あなたは、僕を生みました。19年間、苦しくて、ほぼ憎しみでしかないんですが、最高の演劇人生をありがとうございました」と時折、声を詰まらせた。