蜷川幸雄さんの葬儀に参列した小栗旬さん(中央)=16日午前、東京都港区、鬼室黎撮影
■蜷川幸雄さんへ 小栗旬さんの弔辞
特集:蜷川幸雄さん逝く
昨日の晩、(吉田)鋼太郎さんが、蜷川さんは台本を持つのが嫌いだからオレたちは読まずにいこうって言ったのに、鋼太郎さんが読んだので読ませていただきます。
僕がこんな所に立って、蜷川さんに何かを言うんだって、きっと、「バカ、小栗、お前に言われることなんて何もねえよ」って笑われちゃいますね。
蜷川さん、どうします? 予定していた僕との公演。嫌われて、オレも勝手に嫌って、仲直りしてもらって、やっと一緒にできると思っていたのに。あんなにしっかり握手もしたのに。約束したのに、悔しいです。
蜷川さんと過ごさせていただいた日々をたくさん思い出させていただきました。輝かしい思い出の日々のはずなのに、なんででしょうね、怒られたことばっかりが出てきます。「本当にお前みたいな不感症とは二度と仕事がしたくない」「へたくそ」「雰囲気」「単細胞」「変態」「はー、君おじさんになったねえ」「なんかデブじゃない?、デブだよ、デブ。なあ、りえちゃん、そう思わない?」「ピスタチオみたいな顔」。あ、最後のは(藤原)竜也に言われた言葉でした。
もっとうまい文句もいろいろ言われたんですけど、そのへんは右から左に流していたんで忘れちゃいました。
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