岸和田城も「臨時休場」した=18日午前11時26分、大阪府岸和田市岸城町、寺尾佳恵撮影
ネット掲示板などへの爆破予告が相次いでいる。今のところ悪質なデマにとどまっているが、行政や学校は万が一に備え、対応に苦慮する。大阪府岸和田市は全市立学校や施設を閉鎖。市民が迷惑をこうむった。警察は、威力業務妨害容疑で発信者の特定を急ぐ。
岸和田に「爆薬4万個」予告、病院除く全公共施設閉鎖
17日午後10時半ごろ、岸和田市の市長ら幹部30人余りが市役所に集合した。「学校や市役所に4万個超の爆薬をしかけた」とする、ネット上での書き込みへの対応を話し合った。
過去、同様の事案で警戒にとどめ、通常業務を貫いた自治体の例も報告された。「愉快犯に屈するのは残念」との声も出たが、幹部の一人が「書き込みの信用性を確認する時間はない」と発言。「市民の命が第一」でまとまった。ある市幹部は「何も起こらなければ批判されるだろうが、やれることをやった」。爆薬は見つからず、市は18日夕、警戒態勢をといた。
4月末に爆破予告の書き込みが見つかり、2日間の臨時休校を決めた兵庫県の公立高校の教頭も「高校総体を控えた大事な時期。本当に迷惑だ」と苦り切る。
「市役所を爆破する」と書き込まれた大阪府貝塚市は府警から「大々的に対応すると模倣犯が出るデメリットがある」と告げられたが、万が一に備え、予告された今月14日、市役所周辺の立ち入りを制限した。
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