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漫画「スラムダンク」の作者・井上雄彦さん(49)とBリーグ選手の対談企画の第1回は、日本人で初めて米プロバスケットボール協会(NBA)のコートに立った田臥勇太選手(35)。2人の言葉からは“バスケ愛”があふれた。
スラムダンク20年 井上雄彦さん、バスケとの距離は今
特集:B.LEAGUE 主役に迫る
井上 スラムダンクにでてくる高校王者の山王工業のイメージのもとは、能代工(秋田)です。連載の最後の年に田臥選手が入学して、卒業までに9冠を達成。のちにNBAでプレーすることも含め、「漫画だから描ける」と言われそうなことを次々と現実にしてしまう。漫画家泣かせのとんでもない男です。
田臥 スラムダンクを読んだ回数は数えきれません。高校時代や30代など、読んだ時期によって勉強になることが違う。アメリカ留学を目指していた流川や沢北(ともに登場人物)がどういう思いで向こうへ行こうとしているのか、20代のころにはリアルに感じられた。僕にとってのバイブルです。
井上 連載前は、バスケ漫画はヒットしないと、編集の人に言われた。けど、その言葉を信じなかった。やる面白さと見る面白さの両方を100%信じていました。バスケは悪くない。あとは、自分ががんばるだけだと思っていました。
田臥 ぼくが自分でドアを開けなくてはいけなかったのは、高校を卒業してNBAを目指していたころ。先が分からないのは当然。何も気にしていられなかったですね。毎日与えられた環境、状況でベストを尽くすことだけでした。