記者会見する在米の日系被爆者ら=22日、ロサンゼルス、平山亜理撮影
オバマ米大統領の広島訪問を前に、米ロサンゼルスで22日、広島で被爆した日系米国人らが記者会見を開いた。オバマ氏の訪問を「核兵器廃絶への第一歩になる」と歓迎した。米国内では、被爆地訪問について賛否両論があるものの、原爆による被害への理解が深まることが大切だとの認識を示した。
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特集:核といのちを考える
米国広島・長崎原爆被爆者協会のメンバー4人が体験談を語った。日系2世の更科洵爾(さらしなじゅんじ)さん(87)は、広島の軍需工場で働いていた16歳の時に被爆した。何千人もの遺体が転がっている情景を目の当たりにした経験者として、「次の世代には二度とあってはならないこと」と述べ、「オバマ氏には、核のない世界を実現するため、指導者として進んでいってほしい」と語った。
会長の据石和(すえいしかず)さん(89)は米国で生まれ、広島で育って被爆した。「米国は父のような、日本は母のような存在」と語り、オバマ氏について「感謝している。抱きしめたいくらいだ」などと喜びを表した。
日系3世のフォトジャーナリスト、ダレル・ミホさん(50)は、広島訪問を求め、オバマ氏に1千枚のはがきを送る活動をした。ミホさんは「オバマ氏には、広島で何が起きたのかを自分で見て、核兵器廃絶の取り組みを続けて欲しい」と話した。(ロサンゼルス=平山亜理)