軽自動車の生産が止まっている水島製作所。人の出入りは少なめだ=24日午前、岡山県倉敷市、新田哲史撮影
三菱自動車の燃費偽装で、下請け企業の従業員の仕事が奪われている。軽自動車の生産が止まった水島製作所(倉敷市)がある岡山県が24日まとめた調査では、休業や教育訓練、出向など従業員の雇用調整をした企業は28社あった。県によると、既に約1050人が影響を受けている。解雇や雇い止めをするのは9社で、約100人が職を失うという。
雇用への影響を行政が詳しくまとめるのは今回が初めて。雇用調整をした28社は調査に三菱自との取引があると答えた166社の約17%にあたる。県によると休業した日数などを考慮すると計約4500人分の仕事が影響を受けたという。
水島製作所は再開のめどは立っておらず、下請け企業は売り上げが減っている。帝国データバンクの4月下旬の調査では、三菱自の下請け企業は直接取引する1次と、そこと取引する2次だけで全国に7777社ある。働く人は約41万2千人いて岡山県以外でも影響が出ている恐れがある。
岡山県は県内の中小企業622社にアンケートを配り、返信があった255社の回答をまとめ、24日午前の県議会で報告した。雇用調整について、13日までの実績と14日以降の予定をまとめた。水島製作所の生産再開がずれこむことで、休業や教育訓練は長引くと予想される。