主要７カ国（Ｇ７）首脳会議（伊勢志摩サミット）に出席する各国首脳の訪日が２５日、本格的に始まる。到着する中部空港（愛知県常滑市）から主会場・賢島（かしこじま、三重県志摩市）まではヘリで移動予定だが、荒天時は陸路に変更される。その距離約１９５キロにもなる首脳警護にどう対応するか。警察は訓練を繰り返してきた。

特集：伊勢志摩サミット

フォトギャラ「伊勢志摩、世界が注目」

２４日深夜、名古屋駅に大勢の警察官が集まり、騒然となった。２３日に一足早く来日し、２４日に東京での政治日程を終えたカナダのトルドー首相が新幹線で到着。乗り込んだ黒塗りの車両は、前後を警察車両に警護され、三重県に向け動き出した。高速道路までの一般道では、車列が途切れないよう信号が操作された。

トルドー首相を除く各国首脳は２５日以降、中部空港に続々と到着する予定だ。同空港では、各国首脳が乗る自衛隊ヘリに加え、米大統領専用ヘリや米軍輸送機オスプレイが離着陸を繰り返している。直線距離約６０キロの賢島周辺までの飛行ルートを何度も確認し、空路移動の準備を進めてきた。

警察関係者によると、ヘリの安定飛行や有視界飛行に影響を及ぼす天候だと陸路への変更が検討される。中部空港や賢島周辺の２５日の天気予報は曇り。ヘリの飛行は可能とみられるが、警察は「もしも」の時に備え、車列の警備訓練を非公開で重ねてきた。