「朝サーフィン」を楽しむ荒井勉さん=神奈川県藤沢市
汗ばむ陽気とともに、サーフィンにもってこいの季節がやって来た。「聖地」とされる神奈川県藤沢市の鵠沼(くげぬま)海岸には朝のまだ薄暗い頃からウェットスーツ姿が集まる。中でも目立つのが年配のサーファーたち。かつて手にしたゴルフクラブを捨て、サーフボードが生活に欠かせない。
午前4時過ぎ、荒井勉さん(65)は横浜市内の自宅から鵠沼海岸に向かう。車の屋根にはサーフボード。午前5時には海に入る。大手エネルギー企業の元役員で、毎朝のサーフィンは生活の一部だ。「波に乗った快感といったら。波の上から魚が泳ぐのが見えると感動しますよ」
海通いは45歳から。仕事に追われる毎日の「気分転換に」と始め、「朝サーフィン」の爽快さに夢中になった。海から上がると車で自宅に戻り、電車で東京都内の会社に出勤した。
同じころに始めた「招き招かれ」の接待ゴルフは「一緒に回るメンバーにも気を使う。嫌で仕方なかった」。「自由の身」のいま、ゴルフはしない。