リオデジャネイロで27日、16歳の少女に対する集団暴行事件に抗議する女性たち=AFP時事
五輪の開催を8月に控えたブラジルのリオデジャネイロで、16歳の少女が30人以上の男や少年から性的暴行を受け、その様子を撮影した動画がインターネット上に投稿される事件が起きた。少女を多数で暴行する残酷さや動画を投稿する異常さから、ブラジル社会に衝撃が広がっており、政府も対策に乗り出した。
地元メディアによると事件は21日、ファベーラと呼ばれるスラム街で発生。少女は薬物を飲まされたと見られ、連れ込まれた室内で意識がなくなったところを30人以上から性的暴行を受けた。犯人の一人がその様子を映した動画をネット上に投稿し、事件が発覚。動画はすぐに削除されたが、ブラジル社会には驚きと動揺が広がった。
リオの警察当局は27日に記者会見し、少女の供述などから「事件は実際に起きた」と説明。すでに男4人の逮捕状を取ったことを明らかにした。残る容疑者の行方を捜すとともに今後、さらに捜査を進めるとしている。被害者の女性は病院で検査を受けたという。
テメル大統領代行は「21世紀にこうした野蛮な犯罪を経験しなくてはならないのは、不条理なことだ」とコメント。性犯罪に抗議する声の高まりと、事件の重大性を受け、連邦警察内に女性に対する犯罪の専門部署をつくる考えを明らかにした。(田村剛)