会見する鈴木俊宏社長(右から2人目)と鈴木修会長(左から2人目)=31日午後、東京・霞が関、小玉重隆撮影
![写真・図版](http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20160531005172_commL.jpg)
![写真・図版](http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20160531004748_commL.jpg)
燃費不正問題で2度目の会見を開いたスズキ。報告内容からは、法令を守る意識が薄く、チェック機能も働かない組織の体質が浮かび上がった。対象車の燃費はカタログ値より良かったとして販売は続けるが、5月の軽自動車の販売は前年より18%減った。組織の立て直しと信頼回復は急務だ。
スズキ、「アルトエコ」でも 26車種で不正測定
スズキ燃費不正、記者会見の主なやりとり
鈴木修会長は会見で「組織がなっていなかった」と述べ、会社が組織として機能しなかったことを認めた。担当社員に法令を守る意識が薄く、チェックする役割を持つ部門もまったく機能しなかった。
スズキによると、不正の始まりは2010年に欧州で認められている方法を転用したことだった。担当者は違法性を感じつつ、「欧州で認められているからいいだろうと」(笠井公人・四輪技術本部長)不正を始めたという。現場の担当者がやり方を伝え合う中で前例踏襲で広まった。
開発担当部門カーラインの上司も、データを確認する法規認証部もまったく気付かなかった。法規認証部は社内調査に「自分たちが関知しないところで進んでしまった」と答えたという。本田治副社長は「法規認証部が参加しなくても業務が進んでしまう欠陥があった」とした。
鈴木会長は「各部門がやるべきことをやっていれば不正はなかった。『まあやれや』とやってしまったのが、不正につながった」と反省した。経営責任については「再発防止のために全力をあげたい」とし、役員報酬の減額などを含め、近いうちに結論を出す考えを示した。(山本知弘)