文化財の撮影と関連書籍の発行を営む「飛鳥園」(奈良市)の会長で、自らも数多くの仏像写真を手がけた小川光三(おがわ・こうぞう)さんが5月30日、特発性血小板減少症で死去した。88歳だった。葬儀は近親者で営んだ。後日、お別れの会を開く。喪主は妻瞳さん。
奈良市出身。大阪市立美術研究所で絵画を学び、古美術写真の第一人者だった父晴暘(せいよう)さんを継いで全国の仏像を撮影した。主な写真集に「魅惑の仏像」「奈良 世界遺産散歩」など。古代史研究にも取り組み、奈良の三輪山のふもとの桧原(ひばら)神社を基点に、東西一直線に太陽信仰の山や神社が点在することに着目。1973年の著書「大和の原像」で「太陽の道」を提唱した。