党大会で演説するフラウケ・ペトリ氏=独シュツットガルト、アンケ・レスキー撮影
ドイツで反イスラムや難民流入阻止を掲げる新興政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の勢いが止まらない。地方選挙での躍進を追い風に、来秋の総選挙で国政進出をうかがう。党首で「ドイツのトランプ」とも呼ばれるフラウケ・ペトリ氏(41)に、その主張を聞いた。
■「反イスラム」鮮明に
「日本の新聞が、なぜ私たち小政党に興味を?」
旧東独の古都ドレスデンで5月上旬に取材に応じたペトリ氏は、英国留学仕込みの流暢(りゅうちょう)な英語で尋ねてきた。穏やかな口調で、笑顔を絶やさない。
だが、AfDが5月1日の党大会で発表した基本綱領には、過激な主張がずらりと並んだ。最たるものが「反イスラム」だ。女性が顔をベールで隠したり、モスクから礼拝を呼びかけたりするイスラム教徒の習慣の国内での禁止を求めた。
ドイツ国内のイスラム教徒は約400万人で、全人口の約5%を占める。それでもペトリ氏は「『アラブの春』を境に、イスラム教徒の宗教理念は(過激な方向に)変わりつつある。イスラム化が進めば、ドイツの人々が慣れ親しんできた民主主義の下で暮らしていけなくなる」と言い切る。