韓国政府は8日、北朝鮮が寧辺(ヨンビョン)の核施設で使用済み燃料棒の再処理を始めたと明らかにした。国際原子力機関(IAEA)が6日、北朝鮮が再処理施設を再稼働させた兆候があるとの見方を示していた。北朝鮮は最大で核兵器1個に相当する兵器用プルトニウムを数カ月で入手する見通し。
北朝鮮、プルトニウム生産再開か 米政府高官語る
ロイター通信も7日、米政府高官は北朝鮮が寧辺にある核施設でプルトニウム生産を再開したと語ったと報じた。
寧辺には、5千キロワット級の黒鉛減速型原子炉などがあり、北朝鮮は使用済み核燃料の再処理施設で、兵器用プルトニウムを抽出してきた。燃料棒の再処理は、北朝鮮が核開発をさらに進める意思を改めて示した形になる。
北朝鮮は、2007年の6者協議の合意に基づいて稼働を停止した寧辺の原子炉について、13年に再稼働を表明。原子炉には最大8千本の燃料棒の装塡(そうてん)が可能だ。燃焼した燃料棒8千本の再処理で6キロ程度のプルトニウムを得られる模様だ。北朝鮮の技術では、核兵器1個あたり4~8キロのプルトニウムが必要とみられる。