及川光博=大阪市北区、伊藤菜々子撮影
「ミッチー」の世界観はブレない。今年、歌手デビュー20周年を迎えた及川光博。俳優としてドラマや映画で様々な役を演じている及川にとって、歌手活動は大切に守り、育ててきた「聖域」という。
昨年、20周年記念の3枚組ベストアルバムを発売した。東京育ちの及川は「ひと手間加えるのが江戸前」と、曲のリリース順ではなく、「ファンク」「ロック」「ラブソング」とジャンルごとにわけて編集した。そのどれもが、少女漫画のヒロインを魅惑するような曲で統一されている。
「世界観が変わらないとも言えるし、大人になりきれていないとも言える。20代半ばでハートが止まってる」と笑う。妻の檀れいにも「気分だけは大学生」と言われるという。
「ミッチー」は、「僕が書いた漫画の実写化」と明かす。デビューの時から、その像は自分の中できちんと定まっていた。「ピエロにもなれるし、文学者の風情もある人。自分を笑えて、うまくけむにまくようなスター」