土砂崩れ現場から運び出される住民=21日午前8時21分、熊本市北区津浦町、金子淳撮影
九州各地で降った激しい雨の影響で、熊本県内では21日午後1時までに土砂崩れなどで男女4人が死亡、男性1人が心肺停止の状態で見つかった。熊本県宇土市では生き埋めになったとみられる1人の捜索が続いている。
目の前に押し寄せた土砂、間一髪の避難
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熊本県警や消防によると、熊本県上天草市で20日午後11時45分ごろ、岩谷為喜(ためき)さん(92)方の裏山の土砂が崩れ、住宅に流れ込んだ。岩谷さんは土砂の中から発見され、病院で死亡が確認された。熊本県甲佐町では曽我収さん(79)が水路に転落し、水死した。
宇土市では民家に土砂が流れ込み、中口隆道さん(66)が死亡。市内の別の民家でも土砂崩れが起き、50代女性と連絡がとれなくなっている。
熊本市北区津浦町では土砂災害で家屋に2人が取り残され、21日午前8時前に橋谷ツネ子さん(85)が見つかったが、病院で死亡が確認された。また、80代男性が心肺停止状態で見つかった。
熊本県大津町では、熊本市と阿蘇地方を結ぶ国道57号の2カ所でがけ崩れが起き、熊本地震で崩落した阿蘇大橋との間に位置する熊本県南阿蘇村の立野地区が孤立状態になった。
宇土市では網津川などの堤防が決壊。広範囲にわたって冠水し、家や道路に土砂が流れ込んだ。熊本県益城町では木山川の堤防が決壊。ビニールハウスや田んぼが広がる一帯が水浸しになり、水に囲まれて孤立する民家もあった。
宮崎空港(宮崎市)の滑走路では21日早朝、約11メートルにわたり、直径10~15センチ、深さ約5センチのくぼみが5カ所で見つかった。落雷の影響とみられるという。空港は一時、滑走路を閉鎖して応急措置を実施。運航再開までに6便が欠航になった。