コックスさんを追悼する集会に参加する人たち=22日、ロンドン、山尾有紀恵撮影
欧州連合(EU)からの離脱を問う英国の国民投票が23日におこなわれる。残留を支持し、41歳で射殺された労働党の女性下院議員ジョー・コックスさんの誕生日にあたる22日、ロンドン中心部のトラファルガー広場で追悼集会があった。パキスタンで銃撃されたノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイさん(18)も出席。「ジョーの生涯は、平和のメッセージがどんな武器よりも強力だという証明だ。過激派は再び失敗した」と語った。
特集:EU離脱問うイギリス国民投票
2012年に女性の教育権を求めたために撃たれ、現在は英国を拠点に活動するマララさんは「私は今日、銃弾では勝つことはできないという、生きた証拠としてここにいる」と語った。コックスさんが難民保護などに精力的に取り組んだことに触れ、「彼女は忘れ去られた人たちを持ち上げるために、その声と命を使った。互いに背を向けては平和をもたらせないと教えてくれた」と述べた。
また「私にはジョーと共通点がある。それは体が小さいことだ。でも、彼女はそれでも偉大になれると示した」とも訴えた。
壇上に立ったコックスさんの夫ブレンダンさんは、声を詰まらせながら愛妻の人となりを語り、「ジョーの殺害は政治的なものだった。他者への憎しみを増幅しようとしたテロ行為だった。皮肉にもそれは、かわりに愛を生み出した」と語った。