匠大塚春日部本店の売り場=埼玉県春日部市
大塚家具創業者で前会長の大塚勝久氏らが立ち上げた家具販売会社「匠(たくみ)大塚」が29日、埼玉県春日部市の百貨店跡に大型店をオープンする。同市は大塚家具創業の地。経営権争いで長女の久美子氏に敗れた勝久氏らは、初の一般向けの出店で巻き返しを図る。
28日、報道陣向けに新店舗「匠大塚春日部本店」が公開された。建物は今年2月に閉店した百貨店「西武春日部店」の跡。7階建てのうち、1~5階を家具の展示フロアにした。売り場面積は約2万7千平方メートル。中高級品を中心に約1万6千点をそろえた。1万円台の価格をおさえた商品も置き、幅広い層の取り込みを狙う。会員制にはしないが、インテリアコーディネーターらが接客する。地下1階の食料品店と7階のレストラン街は、入居テナントを検討中という。
東武鉄道の春日部駅を挟んで反対側には久美子氏が経営する大塚家具の大型ショールームがあり、創業の地でお客を奪い合うことになる。勝久氏の長男で匠大塚の社長の大塚勝之氏は、「特に(相手を)意識していない。新しく家具店ができると周囲も活性化すると思う」と述べるにとどめた。(栗林史子)