日本郵便は28日、旧特定郵便局長らでつくる全国郵便局長会(全特)の大沢誠・前会長(66)が専務執行役員に就く人事を発表した。日本郵便が、全特の元幹部を執行役員に迎えるのは初めて。日本郵政グループの経営陣と全特は、経営方針を巡って対立したこともあったが、株式上場を機に融和を進める。
旧特定郵便局長は地方の名士が多く、全特はかつて自民党の「集票マシン」と呼ばれた。小泉純一郎元首相が進めた郵政民営化で自民党と溝ができたが、最近は関係が改善。経営陣が消極的だったゆうちょ銀行の預け入れ限度額引き上げを政治家に強く陳情し、今年3月に実現させた。
大沢氏は1985年から埼玉県の富士見郵便局(現富士見鶴瀬東郵便局)の局長、2014年5月から今年5月まで全特会長を務めた。