東京都目黒区の碑文谷公園内の池で、世田谷区の無職阿部祝子(ときこ)さん(88)の遺体が切断された状態で見つかった事件で、警視庁が阿部さんの自宅を検証した結果、室内から血液反応が確認されなかったことが、捜査関係者への取材で分かった。自宅マンションから外出する姿は確認されておらず、警視庁は、マンション内の自宅以外の場所で事件に巻き込まれた可能性があるとみて調べている。
捜査関係者によると、28日の現場検証の結果、阿部さん宅の室内や風呂場からは血液反応が確認されなかった。阿部さんは19日午後8時ごろ、横浜市に住む長男家族を見送って戻る様子がマンションの防犯カメラに映っていた。だが、その後は出入りが確認されていないという。
阿部さんは翌20日午前9~10時、清掃関係の業者が訪問した際には自宅にいなかった。26日になっても連絡が取れなかった業者の相談を受け、世田谷署員が自宅を調べたところ、玄関は無施錠で、室内に物色や争った跡はなく、現金入りの財布も残っていたという。金融機関の通帳や阿部さんの携帯電話も室内に残ったままだった。
このため警視庁は、19日夜から翌朝までに、マンション内の自宅以外の場所で被害に遭った可能性があるとみている。一方、マンション内のエントランスや階段などに設置されている複数の防犯カメラには死角もあるため、同庁は慎重に調べを進めている。