大学のカフェで27日、英国のEU離脱について話しあうアンジボーさん(右)とベントゥーラさん=ロンドン、山尾有紀恵撮影
同じ欧州連合(EU)内の国に「進学」したのに、2年後には「海外留学」になる――。英国のEU離脱で、自由だったEU諸国と英国の間の進学が難しくなると心配されている。卒業後の就職のハードルが高まる可能性もあり、学生たちの悩みは尽きない。
特集:イギリス、EU離脱へ
「世界最大級の金融センターであるロンドンで働くつもりで英国の大学に入った。それなのに『離脱』になって、どうしたらいいかわからない」。ロンドン大経済政治学院(LSE)で金融を専攻し、秋から修士課程が始まるフランス出身のルーカス・アンジボーさん(21)は浮かない顔だ。「本当に想定外だった」
世界的に有名な大学が多い英国は、EU諸国の優秀な学生を引きつけてきた。英高等教育統計局によると、英国の大学などで学ぶEU諸国からの学生は、約12万5千人。EU諸国の大学との間で交換留学制度があるほか、EU諸国の出身ならば、英国の大学に入る場合に学費の優遇があり、ローンも英国人学生と同じ条件で受けられるという。グローバル言語の英語で学べ、卒業後の就職先を探すのにも魅力的だ。
アンジボーさんの友人、チェコ出身のディオゴ・ベントゥーラさん(23)は「EU諸国からの学生は減るだろう。交換留学制度もどうなるかわからない」。