英国の中央銀行、イングランド銀行(BOE)のカーニー総裁は6月30日の講演で、市場でポンドが不足しないように、6月から行っている臨時の資金供給を9月末まで続けることを明らかにした。
BOEは通常は月1回の、金融機関向けの資金供給を6月は計4回実施した。英国が欧州連合(EU)からの離脱を決めた後に行った資金供給では、金融機関からの需要が離脱決定前と比べて大幅に増加した。金融機関がお金を貸し借りする短期金融市場で混乱が起きないように、今後も週に1回のペースで資金供給を続ける。
また、カーニー総裁は離脱で経済の見通しが悪化するとして「夏に金融政策の緩和を求められるだろう」と述べ、近く追加緩和に踏み切る可能性を示唆した。利下げや、国債を買って市場にお金を流す量的緩和の拡大が選択肢になるとみられる。(ロンドン=寺西和男)