7月10日投開票の参院選比例区をめぐり、総務省は政党名の判別が難しい「疑問票」をどう取り扱うか、判断基準の指針を各都道府県選挙管理委員会に通知した。「民進党」や「おおさか維新の会」などが補欠選挙を除く国政選で初めて投票対象となることもあり、開票時の混乱を防いでもらう考えだ。
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朝日・東大谷口研究室共同調査
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公職選挙法は、有効票か無効票かを判断するのは各開票所の開票管理者が決める、としている。総務省は今回の指針で、投票の有効例などを事例として示し、有効か無効かの決め手については「他の政党との識別が可能なものは有効」と解説する。
民主党と維新の党が合流して3月末に誕生した「民進党」は、略称の「民進」のほか「民」も有効とした。一方、「民主」や「民主党」と書いた場合の判断には触れなかった。「自由民主党」「社会民主党」など「民主」を含む政党があり、どこに投票したか判断が難しいためだ。
1998年の参院選でも、「社会」と書かれたものは「社会民主党」か「新社会党」か識別できないとして、無効とされた事例が多かったという。
「おおさか維新の会」は、略称「維新」のほか、「維」「お維」も有効とした。「おおさか」と書いた場合については判断を示していないが、新党改革から比例区に大坂佳巨(おおさかよしきよ)氏が立候補しており、総務省選挙課は「大坂氏への個人票と解釈するのが自然」と話す。
指針は、選挙区と比例区に複数の候補者を擁立している政治団体「支持政党なし」についても言及。略称「支持なし」や「支なし」は有効としたが、「なし」と記述した場合の判断には触れなかった。同課は「『支持政党なし』が候補者を出していなかった過去の選挙で、白票の意思表示として『なし』と書かれたものがあった」としており、無効となる可能性が高い。(相原亮)