救済措置で五輪に出場できるロシア陸上選手はわずか2人だけか――。組織ぐるみのドーピングでチームとしてリオデジャネイロ五輪に出場できなくなったロシア陸上界について、ロシアオリンピック委員会の法務担当者が3日、ロシア・タス通信の取材に厳しい見通しを示した。
国際陸上競技連盟は6月17日、ロシアの改革は不十分として資格停止処分を解除せず、リオ五輪出場を認めなかった。一方、規定を改正し、ロシア国外を拠点にしていて、ドーピングをしていないと証明できる選手については個人資格での参加の道を残した。
ロシアの陸上選手はすでに80人以上が個人資格での参加を申請している。だがこの担当者は「国際陸連の審査基準を考えると2人しか参加できない」と話す。2人の名を明かしていないが、AP通信は、米国を拠点にする女子走り幅跳びの欧州室内王者ダリア・クリシナと、イタリアを拠点にする女子棒高跳びのアリョーナ・ルトコフスカヤの可能性が高いとしている。ロシアは国際陸連が処分を解除しなかったのを不服としてスポーツ仲裁裁判所に異議申し立てをした。今月19日に聴聞がある見込みだという。(パリ=河野正樹)