7月10日に投開票される参院選では、18、19歳が新たに有権者になります。投票する際に、投じた一票が無効票にならないためには、何に気をつければいいのでしょうか。(北海道 無職男性 77歳)
特集:2016参院選
朝日・東大谷口研究室共同調査
特集:18歳選挙権
参議院の定数は242人です。3年ごとに半数が改選され、今回の選挙では121人が選ばれます。73人が選挙区で、48人が比例区で選ばれる議員です。
投票所では選挙区と比例区の2枚の投票用紙が渡されます。選挙区の投票用紙に書くのは候補者の名前です。比例区は、政党の名簿に載っている候補者の名前か、政党の名前か、どちらかを書きます。政党名は略称でも構いません。例えば、おおさか維新の会の略称は「維新」です。これ以外にも、総務省が都道府県選管に出した通知では「お維」などが有効例として紹介されています。自民の「自」、民進の「民」なども有効と解されます。
決められた投票用紙に書かないと「無効票」になります。候補者名や政党名以外を書いた場合や、何も書かない場合も無効です。総務省によると、2013年参院選の選挙区では、全国で約172万票が無効でした。全投票の約3%に上ります。
名前の書き間違えは、開票所の管理者が個別に判断します。単なる書き損じや誤記と認められれば有効ですが、他の候補者と区別がつかなくなる場合など、無効になる可能性もあります。間違いに気づいたら二重線で消して書き直すか、用紙の交換もできます。
名前以外を余計に書き込むことを「他事記載」といい、原則として無効になります。候補者名を正しく書いても、「頑張ってください」と書き添えたり、記号を書き加えたりすれば無効です。
12年の山口県周南市議選では、候補者名の下に書かれた長さ1センチの縦線が他事記載かどうか最高裁まで争われ、無効とされました。憲法は誰がどの候補に投票したか明かされない「投票の秘密」を保障しており、他事記載は投票者の特定に結びつく恐れがあるため、厳密に判断されます。(社会部・後藤遼太)