欧州連合(EU)は12日の財務相理事会で、スペインとポルトガルが基準を超えた財政赤字を減らす努力を怠っていると認定した。EUの行政機関にあたる欧州委員会はこれを受け、両国に制裁を科す手続きに入る。
財政赤字を理由とする制裁が決まれば初めてとなるが、両国は追加の財政再建策を提出することなどで制裁の減免を求める見通しだ。英国がEU離脱を決めた直後だけに、EU側も混乱は避けたい。EU議長国スロバキアのカジミール財務相は12日の記者会見で、「最後には賢明で理にかなった結果になる」と述べ、制裁減免を示唆した。
EUは加盟国に、単年度の財政赤字を国内総生産(GDP)比で3%以内に抑えるように求めている。両国は2008年の金融危機後、財政赤字が一時10%以上に達した。ポルトガルは15年、スペインは16年までに過剰な赤字を解消するよう欧州委が求めていたが、15年の財政赤字はポルトガルが4・4%、スペインは5・1%だった。
EUの規則によると、両国が財…